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夢見る文系スケートボーディング愛好家

文系スケートボーディング講座

下北沢の気流舎にて、いまだにキックフリップどころか、ろくにオーリーもできないような面々がスケートボーディングについて語るという恐ろしくナードなイベントを開催する運びとなりました。
僕自身、スケートボードを本格的にはじめて4年半になりますが、全然「うまく」なりません。それでも小さなランプやボウル、坂道、ちょっとした縁石を愛する気持ちは増すばかり。トリックの上達とはちがうベクトルでも楽しめる、あるいはその周りに広がるアートやカルチャーにも夢中になれる、という「文系」なスケートボーディングの楽しみ方を紹介できないものかと思い、このようなイベントを開催する運びとなりました。
ここで告知しておいてアレなんですが、日頃このブログをご贔屓にして下さっている皆様よりはスケートボードになんとなく興味やあこがれはあるものの、まだはじめていない人、あるいは全くの門外漢向けの内容かもしれません。もしも知人、友人にそういった方がいらっしゃるようであれば声をかけて頂けますと幸いです。

文系スケートボーディング講座
第1夜「follow no one:スコット・ボーンという文筆家」
於 気流舎(http://www.kiryuusha.com/)
1月22日(土)  スタート 19:00〜
入場無料(ドリンクオーダーのみお願いします)
ゲスト:市橋勝茂(Luecke)、黒田晶、fut !? (公園勉強家)

スケートボードは60年代以降、世代交代を経て若者の代表的なストリートカルチャーとして定着しました。殺伐とした都市空間を瞬時に遊び場へと転用するスケートボードは、都市におけるオルタナティヴなライフスタイルとしてヒップホップやグラフィティと同様に今や世界中で様々に展開しています。
文系スケートボーディング講座では、スケートボーダー自身によって表現されたグっとくる文学作品の朗読や「フッテージ」と呼ばれるスケートボーディングのカッコイイ映像編集作品を鑑賞することで、あたかも世界中の都市空間を路上からローアングルでナイトクルーズするように、スケートボーディングの魅力に迫りたいと考えています。
今回は第1夜として近年、スケートボーディングから著しく表現領域を広げるフランス在住のスケーター/文筆家であるスコット・ボーンによる作品に焦点をあてます。彼の魅力は紳士的な風貌でありながら、熱を帯び、ピュアに狂ったスピードで路上を突き抜ける圧倒的なスケーティングです。また現在、サンフランシスコからフランスに活動拠点を移してからは文筆に生活の重心を移した活動を続け、発表の場に恵まれない不遇な状況ながら詩集の発表や様々なメディアへの寄稿を精力的に続けてきました。
今回の講座では、彼を取り囲む人間関係や業のせめぎ合いから生まれた詩集『Cheating On The Metronome』と『Eclipse』からの作品の朗読をおこないます。フランスに身をよせた異邦人、あるいはスケートボーディングを通して旅を続けてきた自由な視点、そしてアメリカ南部発のルーツから現在に至るまでを垣間みることができるかもしれません。加えて彼自身を理解する上で重要な、多くのスケーターに伝説的に語り継がれるフッテージ『The Strongest of the Strange』等における、彼のスケーティングをささやかに上映鑑賞したいと思います。
あと当日は、みんなで色々とお話ができると思うので、興味あるな〜とか、スケート初心者から普段はオーリー練習のナード者やバリバリのハーコー輩を問わず気楽にワイワイ語り合いましょう!

注意:本講座では、アーティスト本人は来場しません。あくまでも、作品を鑑賞するイベントであることをご理解ください。

栄えある第1夜に取り上げるのはScott Bourne。当ブログ読者の皆様には説明不要でしょう。当日には私イチハシと作家の黒田晶さんがScottの詩をいくつか訳したものをポエトリー・リーディングします。イベントの肝はそこのみ、と言っても過言ではないかもしれません(笑) もちろんScott本人は来場しませんし、会場の気流舎のスペースが限られているために入場できないようなことも起こりえることをどうかご了承ください。