luecke

夢見る文系スケートボーディング愛好家

Tom Knox interview from Grey Skateboard Magazine

UKのスケート・ビデオ『Eleventh Hour』のDVD発売記念、同じくUKのフリー・スケート・ジン&ウェブGreyによるインタビュー・シリーズの翻訳、本日お届けするのはビデオのトリを飾るTom Knox。同姓同名の有名な大先輩がいるおかげで私も当初、かなり戸惑いましたがこちらのTom Knoxはロンドン出身、BlueprintのアマやEmericaのインターナショナル・チームのメンバーとして着実に実力をつけ、今春始動したIsleにも抜擢された注目の若手。『Eleventh Hour』の撮影、編集、監督を手がけたJacob Harrisとも長いつきあいのようで、UKの新世代の勢いを感じさせてくれそうな予感。

DVDはすでに発売中ですが、インタビューは発売直前に発表されたものであるために現時点では表現に食い違いも生じています。あえて原文のままで翻訳を掲載しましたことをどうかご了承ください。

Tom Knox interview
from Grey Skateboard Magazine
taken with permission
original interview by Henry Kingsford
translated by Katsushige Ichihashi(Luecke)
http://www.greyskatemag.com/2013/10/tom-knox-interview/


Portrait Finn Finn Andrés

『Eleventh Hour』のインタビュー・シリーズもいよいよ残すところあと2人。なんと作品のトリを飾るIsleLost ArtDestructoのライダーTom Knox。LakaiFourstarIsleSlam City Skatesの協賛によってリリースされるDVDは週末には店頭に並んでいるはず。

このプロジェクトに参加することになったいきさつは?

(Will)HarmonとJake(Jacob Harris)からこのプロジェクトをやりはじめようとしていることを聞かされて、僕にも参加しないかと声をかけてくれたんだ。もちろん僕の返事はイエスだった。同じプロジェクトで撮影するクルーと一緒に滑るのはいつだって最高だしね。

Jacob Harrisと撮影するのはどんな感じなの? 君たちは古くからの友達だったんだよね? 

Jakeとの撮影はとにかく楽しいよ。大好きな友達だし、もう何年も一緒に滑って撮影してきた仲だから何かと助かる。彼も僕に対しては何でも正直に言うのが楽みたいで、何かうまくいっていないときやもっと良くできそうなときはちゃんと言ってくれる。ただ時間にはちょっとルーズでたいていは起きる時間もかなり遅いんだよね。僕は早起きだからたまにかち合うことがあるよ。でもとにかく出かけてしまえばたいていうまくいくし、撮影は楽しいよ。

スケート・ビデオについてどう思うか聞かせてもらえる? スケーターとしてはやっぱり欠かせない存在なのかな?

スケートをはじめた当初はそんなにビデオを重要なものだとは思ってなかったんだけど、何年かしてから手に入れたものにすごくハマって、ビデオが大事なものに思えた。ビデオを観てからスケートに行けばそのときに観たトリックを実際に練習してみたり、同じようなスポットを滑ることでスケーティングをもっと高いところから俯瞰できることに気付いたんだ。

一番、影響を受けたビデオは何? 

子供の頃はずっと『Lost and Found』とFlipの『Sorry』ばかり観てた。その2本しか持っていなかったからすごく影響を受けたのはまちがいない。友達が『FIRST Broadcast』を持ってて、よくそいつの家にも観に行ったっけ。でもUKのビデオでみんながラインで滑っているのを観るのがたまらなかったんだよね。デコボコの道をクルーズしてめちゃくちゃクールにみえるストリート・スポットを滑っているのがカッコ良かったなぁ。みんながシェル・センターをラインで滑っているのをずっと観てきたから実際に自分もそこで滑れたときは超嬉しかった。(Geoff)RowleyやSmithy(Neil Smith)が最高にナーリーなことをやってのけるのをビデオで観るのは信じられないくらいにすごかったね。UKで生まれ育った人でもあんな狂ったことができるのが信じられなかった。

Eleventh Hour Trailer - Tom Knox from Jacob Harris on Vimeo.

音楽はアーティストが決めた曲順通りにアルバム単位で聴かれるべきだという意見があるけど、スケートボーディングも同じようにフル・ビデオというフォーマットで表現されるべきだと思う? 

断然、フル・ビデオで観た方がスケートボーディングをより楽しめると思う。フル・ビデオはスケートボーディングに時代を超える力を与えてくれる。単独のパートからは決して得られない空気感を持っているフル・ビデオが確かに存在するよね。音楽、撮影方法や作品全体を構成する美的感覚を通して目の前に差し出されるものはただ誰かがスケートしているのを観るという行為を超えたものを生み出す。それにフル・ビデオだとある意味、お目当て以外のスケーターも観ることを強要されるわけだけど、だんだんそういう人たちの細かい一部分だけでも好きになりはじめるものなのさ。フル・ビデオの方が自分の趣向を広げてくれたり、他のスケーターのアイディアやスタイルを幅広くみせてくれるんだよ。

『Eleventh Hour』は当初の予定から大幅に違う作りになったよね。主に収録時間が長くなり、新しいライダーも加わってセクションが増えたわけだけど、そのことについてはどう思う? 

そういう変化はこういったプロジェクトにはつきものさ。特に締切がなければ撮影期間はどんどん延びていくものだし、そうしている内に他の人も参加したいと言ってくる。僕はそういう変化はすべて良いことだと思っている。

今作がリリース直前に音楽の著作権の問題でGreyのビデオからインディペンデントな作品に切り替わったことに関してはどう思う? 

音楽は本当に大きな要素だ。最近、何本か権利関係をうまく処理できなくてどうでもいいような曲しか使えなかったビデオを何本か観たけどね。でもJakeは自由に使える曲をかなり探しまわっていたから大丈夫だと信じているよ。みんなすごい時間をこの作品に注ぎ込んだから、良い音楽が使えなくて完成品にがっかりさせられるようなことは絶対に避けたいよね。この決断は正しいものだったと思う。


Nosegrind pop out, Lyon. Photo Henry Kingsford

作品は主にロンドンで、そしてリヨンや他にはベルリンやバレンシアで撮影されたわけだけど、それぞれの撮影場所は互いにどう作用していると思う?

それぞれの場所の違いははっきりと映像にも現れているけど、良い方に作用しているんじゃない? 観る側はスポットや建築様式、それこそ天気の違いにまで気付けて面白いと思うよ。たいていツアーだと短い期間にものすごく詰め込んで撮影するものだけどね。

ただでさえ短かった撮影期間の最後の時期に怪我で数ヶ月を無駄にしてしまっていたけれど、この作品のパートにも影響は出ていたと思う? 

撮影がほとんど終わりそうなときにIsleのメンバーと行ったバレンシアのツアー怪我をしてしまったんだ。その時点でほとんどフル・パートができる分は撮影できていたから、少しばかり肩の荷がおりた状態で自分が撮りたいと思うものだけを絞り込んで撮影できるかなと思っていたのに... もう怪我は治って最近いくつか追加の映像が撮れたから良かったんだけどね。パートにあまり深刻な影響が出ていなければいんだけど。

自分のパートで変えたいところはある? 

何個か撮り残したトリックがある。でもそれは毎度のことだからね。自分が撮りたいと思うトリックをすべて映像に収めるのは本当に難しい。

作品の中で一番好きなパートとその理由を教えて。

しばらくちゃんとしたフッテージを観ていなかったからDan(Clarke)がこのビデオに入っているのはものすごく嬉しい。彼のスケーティングは本当に荒々しくてパワフルで、それをみているのが大好きなんだよね。トリックを最初のトライで成功させそうな感じでまさに天然のスケーターだ。Luka(Pinto)と滑るのも最高に楽しかった。スケーティングに対するエネルギーがすごくて周りのみんなも焚き付けるほど。ストリートを一日中走り回りたくなるよ。彼のフッテージを観ればきっとわかると思う。
http://www.greyskatemag.com/2013/10/tom-knox-interview/


『Eleventh Hour』のDVDはヨーロッパ向けとなっているはずですのでおそらくPAL方式で日本の通常のプレイヤーでは再生できない可能性もありますがパソコンなどで視聴可能ですので興味を持たれた方は是非、Slam City SkatesやPalominoで通販してみて下さい! 他にも日本まで通販で送ってくれるショップや日本国内でも取り扱い予定のあるショップをご存知の方は是非教えてください。こちらのリストに加えさせていただきます。
http://www.slamcity.com/eleventh-hour-dvd.html
http://www.thepalomino.com/products-page/films/eleventh-hour/