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夢見る文系スケートボーディング愛好家

Kevin Lowry interview from Grey Skateboard Magazine

今週はDVD『Eleventh Hour』の発売記念としてUKのフリー・スケート・ジン&ウェブのGreyによるインタビュー・シリーズをこちらですべて和訳していきます! 二日目となる今日のスケーターはKevin Lowry。カナダのローカル・ビデオにもコンスタントにパートを発表しつつ、Jeremy Elkinによる渋い作品『Lo-Def』、『Elephant Direct』や『Poisonous Products』にも出ていますのでひょっとすると皆様のDVDコレクションの中にもすでにいた可能性大! 是非とも引っ張り出してみてください。そしてこのインタビューと10月5日に発売になった『Eleventh Hour』もどうぞよろしく。

Kevin Lowry interview
from Grey Skateboard Magazine web
taken with permission
original interview by Henry Kingsford
translated by Katsushige Ichihashi(Luecke)
http://www.greyskatemag.com/2013/09/kevin-lowry-interview/


Portrait Finn Andrés

『Eleventh Hour』関係者のインタビュー・シリーズ、第二弾はadidasWESCのライダー、Kevin Lowryをお届けします。Kevinはカナダのカルガリーに在住ながらも度々ロンドンに長期滞在し、たいていはJacob Harrisの家に泊まっていたそう。抑制の効いたアプローチと強烈なポップで『Eleventh Hour』の中でも抜きん出たパートを見せている。DVDはLakaiFourstarIsleSlam City Skates協賛により10月5日に発売予定。

このプロジェクトに参加することになったいきさつは?

カナダからロンドンまで来てJacobとBlueprint用のパートを一緒に作っていたんだけど、そのときに親しくなって自然とこのプロジェクトに進んでいった感じかな。Tom(Knox)、Luka(Pinto)やNick(Jensen)と一緒に滑べるのは気持ちいいし、いろんな部分でわかりあえる感じなんだ。JacobにDan(Clarke)、Arthur(Derrien)、(Tom)BasiやAlex(Campbell)たちにもよく家に泊めてもらったりして本当に世話になったね。今となっては人生でも最高の日々だったと思う。

ロンドンに何度も足を運んで撮影していたけど、なぜこのロンドンなの? ヨーロッパの他の都市やそれこそ世界中にいくらでも撮影できるところがあると思うんだけど。

ロンドンのローカルなスケート・シーンのせいかな。ヨーロッパ中に行ったけど、その中でもロンドンのシーンはかなりいい。サウスバンクやSlam City Skatesの面々も僕みたいなカナダからやってきたよそ者にもいろいろとよくしてくれた。あと、やっぱりカナダとUKは何かと似てる。冬は長いし、スポットは手強い。

Jacob Harrisと撮影するのはどんな感じなの? 

良いときもあれば悪いときもある、かな。僕は夜遊びをしないから朝起きるのが彼より6時間早かったこともあった。全体的にみれば一緒に仕事しやすい人だけど、家を出るまでが大変なんだ。でも彼はこの作品に膨大な時間と情熱を注ぎ込んでいた。まさに馬車馬のように働く人だったよ。

Eleventh Hour Trailer – Kevin Lowry from Jacob Harris on Vimeo.

スケート・ビデオについてどう思うか聞かせてもらえる? スケーターとしてはやっぱり欠かせない存在なのかな?

ものすごく重要なものだと思う。世の中ではスケーターが2年の間に何も発表しなかった場合、彼ないし彼女が脱落してしまったか自分から辞めてしまったと思われてしまうけれど、水で薄められたようなどうでもいいスケート・クリップを四六時中投げつけられることは減ってほしい。僕の好きなスケーターたちでさえ時代に取り残されないようにネット上であちこち短いクリップを出しているけれど、それはスケートボーディングの大義からすべてを引き離してしまっていると思う。すぐに忘れちゃうようなリンクよりもちゃんと手にできるDVDやビデオの方が好きだね。『Mouse』をVHSのビデオテープで何度も何度も観ていたのを思い出すよ。誰かのパートを何回も繰り返して観てみればいろんな細かい事柄にも気付くようになる。でもYouTubeの画質は良いとは言えないし、画面のサイズは5インチ程度だ。
それに人は成長するものだけど、作品が長い期間をかけて作られたものだとそれがパートにも反映されるよね。作品の中には様々な歴史が詰め込まれることになり、そのスケーターの人生の一部をみせてくれる。

一番、影響を受けたビデオは何? 

Mad Circleの『Five Flavors』だね。Pontus Alv、Bobby Puleo、Scott Johnston、Karl WatsonにRob Welsh。すごいラインナップだよね! 今でもあのビデオを定期的に観てるよ。一日に5,000個も新しいウェブ・クリップが発表されるこのご時世で古いビデオを繰り返し観ているということにはそれなりの意味があると思わない? パートがはじまるときに各人が自分にとってスケートボーディングが何を意味するのか語るシーンが大好きなんだ。Scott Johnstonが一番うまく言い表していると思う。「自分の好きなトリックをやるだけ。できるだけ上手にね」ってさ。

『Eleventh Hour』は当初の予定から大幅に違う作りになったよね。主に収録時間が長くなり、新しいライダーも加わってセクションが増えたわけだけど、そのことについてはどう思う? 

そのせいでリリースが遅れたけど、結果的には良かったと思う。この作品にたっぷりと時間をかけられた人はすごいパートを作っている。たとえばTom。彼はいつだってJacobと一緒に滑っていて、長い間この作品のために努力していたし、それがちゃんとパートにも現れているよね。Lukaや僕はロンドンでの短い滞在期間でしかJacobとは滑れなかったけれど。そしてNickは他にも多くのプロジェクトをかかえていた。Isleを立ち上げたり、スケート関係のみならずアートに、引っ越しや彼女とのことなどやらなきゃいけないことを山ほど抱えていた。でも締切が延びたおかげで彼にも少しは余裕ができて、あの忙しさにも関わらずすばらしいパートを作り上げたよね。


Ride-on 50-50 grind, Lyon. Photo Henry Kingsford

今作がリリース直前に音楽の著作権の問題でGreyのビデオからインディペンデントな作品に切り替わったことに関してはどう思う? 

使いたい曲の許可をもらうのはものすごく難しい。僕もこれまでの3つのパートで同じ経験をしてきた。でも個人的にはGrey Magazineが大好きで、Greyが果たしたUKのシーンへの貢献を考えるとやっぱりこの件はものすごくショックだよ。Greyのビデオだからこそ、このプロジェクトに参加したかったのもあったし。

自分のパートで変えたいところはある? 

ステアでのトリックもやってみたかったかな。でも何かから飛び降りるというのがいまひとつやる気になれないんだよね。僕はついつい次の日のことも考えちゃってセーブしてしまうところがあると思う。次の日もちゃんと滑られる状態でいたい、毎日滑っていたいと思うから疲れを次の日に持ち越したり、どこかを痛めるようなことは避けちゃってどうしても安全圏でスケートしてしまうんだよ。

作品の中で一番好きなパートとその理由を教えて。

難しい質問だ。NickとLukaの同点かな。 Lukaの剥き出しのスタイルと豊富なトリックはヤバい。いつも最高の笑顔を見せる彼の人柄もフッテージを通して表現されている。対するNickは力強さと優雅さを同時に体現している。トリックの見せ方が独特でどんなに難しいトリックでも観る側の目にはものすごくスムーズで簡単に映るほどだろ。
http://www.greyskatemag.com/2013/09/kevin-lowry-interview/

『Eleventh Hour』のリリースに合わせてadidas skateのインターナショナル・チームへの加入を果たしたKevin。このウェルカム・ビデオでも本当にうらやましいばかりのポップをみせています。

『Eleventh Hour』のDVDはヨーロッパ向けとなっているはずですのでおそらくPAL方式で日本の通常のプレイヤーでは再生できない可能性もありますがパソコンなどで視聴可能ですので興味を持たれた方は是非、Slam City SkatesやPalominoで通販してみて下さい! 他にも日本まで通販で送ってくれるショップをご存知の方は是非教えてください。こちらのリストに加えさせていただきます。
http://www.slamcity.com/eleventh-hour-dvd.html
http://www.thepalomino.com/products-page/films/eleventh-hour/