luecke

夢見る文系スケートボーディング愛好家

HENRY EDWARDS-WOOD interview on Dank magazine web


Henry Edwards-Wood (Portrait by Percy Dean)

ロンドンの名物スケート・ショップ、SLAM CITY SKATESの初ビデオ『City of Rats』のDVDが遂にリリースされました(先週末にSLAM CITYから発送の案内が来て以来そわそわしております)。イギリスを代表するチームの主力選手からローカルなショップならではヤングガンズまで登場し、インタビュー中でも語られているように「ロンドンにこだわった」本作。特設サイトもあって予告編や本編にも登場するライダー達のアウトテイク的なクリップもたくさんアップされてますが、そこからさらに一歩踏み込むためにもこのビデオを撮影、編集してきたHOLD TIGHT FILMのHenry Edwards-Woodの話も聞いてみようじゃありませんか。まずはノルウェーのスケート雑誌、Dankがウェブにあげていたこちらのインタビュー。

...HENRY EDWARDS-WOOD ON...
.......... «CITY OF RATS» ..........
from Dank magazine web, taken with permission
translated by Katsuhige Ichihashi(LUECKE)
http://dankmag.com/2012/03/19/henry-edwards-wood-on-«city-of-rats»/
ロンドンで『City of Rats』をプレミア上映したばかりのHenry Edwards-Wood(ヘンリー・エドワーズ・ウッド)。Lucien Clarke(ルシエン・クラーク)、Nick Jensen(ニック・ジェンセン)やCasper Brooker(キャスパー・ブルッカー)といったロンドンの強力なローカル・スケーターたちが登場するこの作品はこれまで目にしてきたスケート・ビデオの中でもトップ・クラスに入ると言えよう。Dankマガジンは上映会のためにオスロに来てくれたHenryとちょっとしたインタビューをする機会を得た...

上映会でお会いしたときは、こうしてすべての作業が終わって作品を観てもらうという状況をすごくあっけなく感じているようにみえましたが、やはりあの作品が完成したのはどこか不思議な感覚がありますか? 完成までにはどれくらいかかりましたか?

Henry Edwards-Wood(以下HEW): 作業期間は1年半ほどだったからそんなに長いわけではなかったけど、本当にかかりっきりだったから完成後は変な感じだったね。ずっとプレミア上映の日だけを目指して作業してきたから、その日を迎えた後はすべてが終わってしまったような錯覚に陥ってた。でも本当はまだまだこれからだよね。プレミア上映といってもまだ数回しか公開されていないし、DVDが店頭に並ぶのは3月末だからリリースした、みんなに届けられたというわけではない。ただ、作っている間は人生を乗っ取られたような感じだったせいかもう作業をしなくてもいいこの状態がなんか変なんだよ!

作品の98%はロンドンで撮影されたようですが、ロンドンのストリートだけで撮影するのは大変だったのでは? どこか暖かいところでフッテージ(映像素材)を撮りためたいような欲求にかられることはありませんでしたか?

HEW: そうだね、温暖な気候はいつだって魅力的だけどロンドンほどカメラに映える街は存在しないと思うんだ。そこが作品のポイントでもある。太陽を追いかけてヨーロッパ中を飛び回っていろんなプラザ(広場)的なスポットに行くこともできたかもしれないけれど、第一にはSLAM CITY SKATEはインディペンデントなショップで予算なんて出ないし、第二にそんな場所で撮影していたら作品は面白みのないスポットと真っ青な空が映ってるような、この世に溢れている他の作品と見分けのつかない代物になっていたと思う。『City of Rats』は登場するスケーターと同じくらいにロンドンという街が重要な位置を占めているんだよ。

Karim Bakhtaoui(カリム・バクタワ?正確な発音は不明)のパートのイントロがかなり変わった感じになっていましたが、Karimを紹介している人物やこのイントロの由来などを教えてもらえませんか?

HEW: イギリス以外の人たち、そしてここのシーンにいても若い子だとあのKarimのイントロを理解できないかもね。彼はFemi Bukonola(フェミ・ブコノラ)といってサウスバンクのOGでもレジェンド・クラスの人なんだ。RAD(イギリスのスケート雑誌)の古い号に写真が載っていたり、サンフランシスコの古い人たちにも知り合いがいたりする。彼については良くも悪くもいろんな伝説や噂があって、その是非について僕はあえて発言するつもりはないけれど、とにかくサウスバンクのすべてをみてきた生き証人であり、今でもあそこのボスなんだ。あの場所から巣立ったいろんなスケーターたちをみてきた。KarimもそのひとりだからKarimの初パートのイントロにはぴったりの人選だと思ったんだ。

CITY OF RATS - Karim Bakhtaoui Teaser from Slam City Skates on Vimeo.

フィルマー(映像作家)として、ご自分のスタイルを説明するならどうなりますか? HDを使いだしたのはいつ頃からですか? またポスト・プロダクション(撮影した素材を編集したり、加工したりする作業)にはどれくらい時間をかけますか?

HEW: フィルマーとしてのスタイルと言われても、僕はただ普通にフィルマーなだけだよ! みんなと同じように、ただ出掛けて、ストリートでなにかしらことを成し遂げる仲間を記録するだけ。本当にただ一番良いと思うショットをおさえるだけなんだよ。いつも最高のアングルを狙って構図もちゃんと決めたい方だけど、きっと誰だってそうだよね? HDの機材を入手したのはちょうど今回の作品に取りかかる直前だった。撮影方法に関してはVXの頃と変えずに、同じように撮影している。ただ、HDだと素材の見せ方をほぼ無限にコントロールできるからたしかにポスト・プロダクションの時間は長くなったね。実際の撮影時間と同じくらいポスト・プロダクションにもかけているかな。

今は撮影というとスケートのみですか? スケート以外にも手がけるものはありますか?

HEW: 最近はスケートのみだね。たまに単発で違う仕事も引き受けたりするけど、ようやくスケートの撮影のみで生活できるようになってきたんだ。それって素晴らしいことだけど、この作品を作り終えて時間ができたいま、もっと割のいい仕事を探したいとも思ってる。

ロンドンはこの夏オリンピックで300万人が押し寄せると言われています。街が大変な状態になる大会期間中、あなたはロンドンに残りますか? それともどこかへ避難されますか? またオリンピックによる建築ラッシュでスポットが増えたようなことはありますか?

HEW: その時期は街を離れたいけど金銭的に無理かな。まぁ、なにかしらスケート・トリップの企画がありそうな季節だから6週間の大会期間中ずっとロンドンにいなくてもいいことを祈るばかりだよ。でも多分いつもと同じように撮影してると思う。オリンピックの会場周辺には新しいスポットがいくつかできているけどセキュリティーがきびしいし、スポットもバルセロナみたいだったり、安っぽい作りだったりしていまいちなんだよね。だから個人的にはオリンピックにはあまり便乗していないかな。でもきっと大会が終わった後の方がロンドンに起こったいろんな変化がはっきりと表れてくる気がする。あちこちの舗装をなおしていたから街中はかなりクルーズしやすくなると思うし。

CITY OF RATS (Trailer 2) from Slam City Skates on Vimeo.

『City of Rats』の関する情報はこちらのウェブでも是非!!
http://www.slamcity.com/cityofrats/
http://www.holdtighthenry.com/