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夢見る文系スケートボーディング愛好家

SEX AND SKATEBOARD TOURS WITH ED TEMPLETON

TOY MACHINEのボスにしてスケートボーディングのシーンから見えるティーンエージャー達の生態、文化、そしてもちろん回りのスケーターたちからインスピレーションを得たペインティング、オブジェ、写真と様々なメディアで活躍するEd Templeton。タバコを吸う小中学生を追ったシリーズ、自分のチンポも含めて遠慮なく裸を撮りまくった写真群、どこか病んだ空気ややり場の無い皮肉や残忍さを含んだペインティングをみて普通の人なら即、彼を「変人」とみなすと思うのですが、僕は逆に彼がかなり冷静に自分の目の前に立ち現れる光景や現象をそのまま、それこそ自分を込めないように試みながらひたすら職人のように写真や絵に落とし込んでいるだけじゃないかと感じています。自分の中に棲む魔物を芸術で発散するしかないような運命的なアーティスト、あるいはセンスの良さだけで軽やかに作品を生み出してしまうような生まれつきのアーティストというよりは「努力の人」なのではないかと思うのです。憧れや他人からのインスピレーションに素直に従うような。でもそういうものに対してオープンでいられること、さらにそれをこれだけの作品に具現化できることはまさに才能でしょう。そんなEd Templetonのオープンな姿勢をおもしろおかしく表しているインタビュー。お楽しみあれ。
SEX AND SKATEBOARD TOURS WITH ED TEMPLETON

ED TEMPLETON INTERVIEW taken from JENKEM web with permission
Photography: Ed Templeton
Original Illustration: Lauren Kolesinskas
Translated by Katsushige Ichihashi(Luecke)
http://www.jenkemmag.com/home/2012/01/16/sex-and-skateboard-tours-with-ed-templeton/

写真家としてのエドについて話をきこうとはじまったインタビューだったが、あっと言う間に質問はセックスに関するものばかりになってしまった。だって、A) エド・テンプルトンのシリアスなインタビューはもうすでに数えきれないくらいに存在するし、B) いつだって下ネタの方が面白いから。それに彼の写真アーカイヴを見直したあとでは誰だってあの大量のセックスを匂わせる写真群に関して質問をせずにはいられないだろう。ありがたいことにエドは我々の馬鹿っぽい質問を大目にみてくれたばかりか、いくつか90年代のスケート・ツアーの思い出も語ってくれた。こんな話題にもこれだけオープンに、正直にこたえてくれるTOY MACHINEのボスはやっぱり最高だ。

ポルノはかなり好きな方?

ED TEMPLETON(以下ED)_ いや、別にマニアでも大好きってわけでもない。まぁ、それなりに楽しませてもらったとは思うけど。

チームのスケーターたちと一緒に見たりしたことはある?

ED_ いつだって誰かがそういう雑誌を買ってきていたから、TOY MACHINEのツアーでこれまで消費されたポルノの量はなかなかのものだよ。たとえばDonny Barleyとか。彼はチームで一番ポルノを買ってたと思う。あとはKerry Getzもたまに。でも一度ツアー・ヴァンに持ち込まれたらエロ本はみんなに回されて、たいてい誰かがページを破ってヴァンの中に貼付けてたりしていたね。男子ノリっていうのかな、俺は別になんとも思ってなかった。逆に写真を撮るかっこうのネタになってくれたから。あと場末のホテルに泊まったときによくテレビで無料ポルノが観れたんだけど、そういうときは絶対にそのチャンネルがついていた。
あとは「ステーション」っていうネタがあって... つまりオナニーできる場所、という意味で「ステーション」とみんなで呼んでいたスポットがあるんだ。部屋によって「ステーション」の数は変わる。「ステーション」てのはベッドとベッドの間の床面の空間でなおかつテレビの画面が見える場所。ベッドの反対側の床にいる奴からは隠れて見えないだろ。部屋の配置がばっちりだとそういう「ステーション」が4つできる。ベッド回りに3つとバスルームからもテレビが見える場合はそこも「ステーション」になる。いつもホテルのポルノを観ながらみんなでオナニーしようぜ、なんて冗談を言っていたけど、実際にやったことはないんだ。ま、ツアー中にマスターベーションをしてた奴も知ってるけど。

回し読みされるエロ本のページが「ナゼか」くっついてた、なんてことはなかった? それかオナニー中のチーム・メイトに遭遇したことは?

ED_ ないよ。エロ本はたいていジョークとして、適当に見るためだけに持ち込まれたもので、そんなもので「その気」になるやつなんていなかった。デモに集まるキッズたちを叩きのめすのにちょうどいいと思って、大きな剣みたいな形をしたディルドを買ってヴァンの中に置いていたときにヴァンを覗いた人がそれをみてびっくりしたことはあったけど(笑) もしもオナニーするなら「プライベート」でやるだろ。「ステーション」だってただのネタで実際にやったことはないんだから。

じゃあこの写真はあなたがBrian Andersonと一緒にポルノを観ていたというわけではないんだね。

ED_ 全然違う場面だよ。これは1999年にドイツのドルトムントで撮ったものだ。Brianがスケートボーディングの世界大会で優勝して、その大騒ぎのあとにホテルに戻ったところ。彼がようやく一息つけた瞬間。俺は適当に写真を撮っていて、たまたまテレビにちょっとエロティックな映画が流れていただけで、実際にはBrianが寄りかかっている大きな窓ガラスはかなり反射していて写真を撮った瞬間にはテレビに何が映っていたのかはよくわからなかったんだよね。何週間か後に現像から戻った写真を見てはじめて自分がこんなにいい写真を撮っていたことを知ったわけ。テレビの場面はまさにあの頃、男だらけのチームで送るプロ・スケーターの人生を象徴していたと思う。実はスケート・ツアーにはああいう静かな時間、隙間がつきものでね。俺はいつもそういう瞬間を捕えたかったんだ。

かわいそうなElissa Steamerはどうやってツアー中のそういう性の嵐を切り抜けてきたの? 

ED_ Elissaはかわいそうでもなんでもなかったよ。彼女はいつだって野郎どものくだらない男子ノリを笑い飛ばしていた。彼女もエロ本を見ておもしろがっていた。必要とあらばみんなで彼女を守ってもいたけど。むかしファンの子が度を超したコメントをしたことがあってね。「やっぱりみんなElissaとヤッてるの?」なんて言われたときには俺とブライアンでとてつもなく恐ろしい形相でにらんだから、その子は一線を超えるどころか敵地に飛び込んでしまったことに気付いたはず。Brianが「とりあえず消えた方がいいんじゃない?」と言ったらそいつは走り去ったよ。

TOY MACHINEのツアー中にどれくらいヤレル子をゲットできた? Elissaにも「成果」はあった?

ED_ 彼女には「成果」なんてなかったし、野郎どもだってゼロだよ。みんな大口を叩くけど実際には何もできない。みんなスケートに必死で女の子(か男の子)をベッドに誘い込む余力なんてなかったよ。TOY MACHINE初期にPanama Danが唯一、ツアー中にギャルをゲットをしていたかな。あるときヴァンの鍵がなくて、ひょっとして車の中に鍵がささったままなのかなと思って窓のスモークの隙間から覗き込んだらPanamaの上でデモに来てたギャルが大暴れしてたよ。あとはMaldonadoもツアーが彼の地元に近づいたときに一度そういうことがあったかな。でも俺たちにとって一番重要なのはいつだってスケートボーディング。週7で24時間、車で走り回ってスケートして、休むのは飯を食うときだけさ。

ツアー中にウンコを漏らしたスケーターはいる?

ED_ あるある。ホテルのタンスの中にウンコしたり、ヴァンの中で小便を漏らしたりとなんだって見てきたよ。でも俺がやっちまったのが最悪だと思う。俺は自分の家の前でウンコを漏らしたことがあるんだ。家の中まであと十歩だったのに間に合わなかった。店から戻る途中で、何歩か歩くたびに立ち止まって全力で漏らさないように集中しなきゃいけなくなって、結局は耐えきれないことを悟ってその場でズボンを降ろしてすべてを解き放ったよ。近所の人に見られていたかどうかは定かじゃないけど。

旧友のMike VallelyがEdのウンコ・ネタについて語っているYouTube。しかも事件は一度だけじゃなかった(笑) Mike V談 「NEW DEAL後期からTVが始まる直前の頃、91年か92年だったかな。Edと二人で車を止めてカーブとちょろっと滑って、やつの方を見たらEdはもう汗だくでさ。そんなに暑くもなかったし、滑り始めてからまだそんなにたっていないのに。「お前、汗だくじゃねぇか」と声をかけたら「あぁ、なんか気持ち悪い」て言ってて。顔も真っ青だし、「どうした」てきいたら「ヤバイ、ウンコしたい。でも我慢できると思う」て調子で。でも数分もしない内に「だめだ、家に帰りたい」と言い出して急いで車に乗ったんだけど、俺が運転席に座って、Edが助手席に座ってドアを閉めた瞬間に「だめだ、もう間に合わない」っていってなんとか車から飛び出してその場でズボンを降ろして下痢便をまき散らしたんだ。もう大爆発。しかもその最中はずっとお互い目を合わせたままで二人で「アー!!」て感じで。で、靴下でケツをふいて、下痢の山の上にその靴下を投げ捨てて「家まで送ってくれ」てね。 ...あと最近あいつから聞いた話だけど、ご飯を食べにいった帰りかなんかに漏らしたらしい。家の前まではたどりつけたのに、家の中までは行けなかったらしくて、家の前の庭で漏らしたんだって(笑) 家までたどりつけたのにトイレに間に合わなかったなんて...」

これまで見た中で一番強烈なTOY MACHINEタトゥーはどれ?

ED_ Fredericksonの兄弟のひとりが胸にしてるやつかな。あとはロンドンでサイン会をしたときに前腕にキャラクターを描いてほしいと言われたから描いてあげたら30分後に戻ってきてサインも含めてキャラをそのまま全部タトゥーにしてた女の子がいた! 

陰部にTOY MACHINEタトゥーを入れてる人には会ったことある?

ED_ Ashleyという子はかなり下腹部というか子宮に近いあたりに入れている。あとは背中に入れてるこの子とか... でもチンポやマンコに入れてるのは見たことないなぁ。フロリダにWill McGahaという子がいてやつは全身TOY MACHINEタトゥーだらけだよ。あとはブラジルにもWillと競い合ってたくさん入れてる奴もいる。その二人が最強かな。なんか信じられないよね。すごく光栄であると同時にちょっと恐ろしい。毎日、鏡の中で目にしてもいいくらいに好きで、一生身につけていたいと思ってくれるなんてね。

これまで食べ物に肉を混ぜられそうになったことはある?(Ed Templetonはヴィーガンです)

ED_ さぁ、どうかな。あるかもね。でも混ぜられても気付かないと思う。俺は肉をクリプトナイト(スーパーマン唯一の弱点である鉱石)みたいに気にするようなヴィーガンじゃないからさ。肉は単に動物の死骸。もし食べてしまったとしても気分が悪くなるようなこともない。人間ての雑食なわけで、俺だってヴィーガンになる前に18年間、肉を食ってきたし。 今思えば恐ろしいことだけど、ウィーナーシュニッツェルにアービーズにマクドナルドと毎日のようにチェーンストアのメシを食ってた。だから今、肉を口にしたところでよくヴィーガンの人がいうように吐いてしまうようなことにはならないと思うんだ。だから誰かに肉を食わされそうになったかどうかはわからないよ。でもよく冗談で「小枝食ってるのか」とか「なんでハンバーガーを食えないんだ」と馬鹿にされる。ヴィーガンをネタにしたジョークは嫌いじゃないよ。たいていのヴィーガンがちょっとオカシイのは確かだし。

ドラッグに関してはどう?

ED_ それも俺の専門外だな。ヴァンの中にたちこめる副流煙で間接的にハイになったことは絶対にあると思うけど。最近のツアーだとヴァンはストーナーとノン・ストーナーに分けられている。でもLSDとかその類いは試したことないよ。そういう体験なら忘れたりしないと思う。チームのみんなにはヴィーガン向けのポット・ブラウニー(大麻入りブラウニー)を作ってくれたらいつだって食べてやるとは言ってるんだけど、もちろん連中はわざわざブラウニーを作るような面倒くさいことはしない。ましてやヴィーガン向けなんて余計に面倒なことはなおさらね。俺の挑戦状はもう何年間も無視されたままで結局まだひとつも口にできないでいるよ。

君が撮った奥さんのヌード写真をかなりの数見てきたけれど、奥さんのヘアー・スタイル、というか下の毛の形がいろいろあるよね。手入れを全然していなさそうなのから滑走路みたいにまっすぐになっていたり、ほとんど全部剃ってあったり。個人的にはどのスタイルが好み?

ED_ 最近のキッズ達、そしてポルノ業界やファッション業界はすっかり「無毛」に取り憑かれてるよね。ちょうどニューヨークタイムズに男性向けのフィットネス雑誌、たとえば『Men’s Health』みたいな雑誌の表紙には1995年以来、胸毛の生えたモデルが起用されていないなんて記事があったよ。ディアンナのアンダーヘアが「滑走路」になったことはないはずだけど、すこし手入れがいきすぎたことはあったかもね。あと、一度だけ全部剃ってしまったこともあった。でも基本的に彼女は極普通の三角形のアンダーヘアーをしてるよ。彼女は大人なんだから毛が生えていて当然だろ? 俺には別に好みの形なんてないし、彼女のアソコなんだから彼女の好きなようにしてくれればいいよ! 形がどうであれ、俺は毛の中に潜り込むから。

君は結構変わっているけど、ベッドの上でもその変人ぶりは発揮される? 3Pとかしたことある?

ED_ 変人に見えるのは多分演技だよ。俺の性生活はいたってノーマルさ。人の手を借りる必要もない。

一番好きな体位は?

ED_ 僕らはもう結婚して20年になる。そして今でもお互いに満足している。「体位」とかそういうものは超えた関係なのさ。

自分にはのぞき魔的な気質はずっとあったと思う?

ED_ うん。人のことを見るのは好きだね。多くの写真家がそういう問題を抱えていると思うよ。フィラデルフィアで「Sado-Voyeurist(サドのぞき魔)」というタイトルで展覧会をやったこともあったくらい。自分たちがセックスしているところを撮ってほしいなんて依頼が舞い込んでこないかな、とも思ってるよ。あぁ、このインタビューは最低になってきたね。全部お前のせいだからな。

自分が年を取ったなぁ、なんて思うことある? 

ED_ そういう日もあるね。スケートボーディングの世界にいる者は誰だって二十歳のままでいるように感じるけど、普段の生活に戻れば年相応の自分さ。君から見れば俺は十分に年寄りだろうけど。39歳でいるということはちょうど人生の半分だろ。俺は折り返し地点にいて、年老いているわけでもなく、若いわけでもない。いい感じだよ。そりゃ二十歳くらいの子の輪に入ればすぐに自分の年齢を思い知らされるよ。口から出てくるのは死語ばっかりだし、サタデーナイトライブに出てくるバンドは半分以上知らない。KE$HAって何者? どうでもいいよな?

http://www.jenkemmag.com/home/2012/01/16/sex-and-skateboard-tours-with-ed-templeton/

僕は運良く、これまでパンツを汚す程度でEdほどの暴発はせずに済んでいますが、小学校の頃に一緒に遊んで子がトイレに行きたいからと家に戻る途中でダムが決壊した瞬間を目の当たりにしました。短パンから足を伝って流れ落ちるる茶色い物体は忘れられない光景です(笑) その強烈な思い出のせいでこのインタビューに勝手に思い入れができちゃってる気がしないでもない... でもこのインタビューを掲載しているブログ JENKEM MAG はかなりマニアックなスケート・ネタを追っていて面白いですよ! 是非フォローしてみて下さい。

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