luecke

夢見る文系スケートボーディング愛好家

BRIGHTBLACK MORNING LIGHT "Motion To Rejoin"





個人的に大好きなバンド、BRIGHTBLACK MORNING LIGHTのサード・アルバムが出ました! メディアに登場する際はメインの2人、Rachael Hughes嬢とNathan Shineywaterで写真に収まっていることが多いですが、一応バンドです。 ひたすらスロゥ&ロウにフェンダー・ローズを引きずり回すようにゴスペルやブルースの回転数を落としたようなサウンドが特徴的、どころか金太郎飴状態でほぼ全曲そのパターンでファンを自認する僕でも曲だけ聴かされてもどのアルバムの曲かは分からず「BRIGHTBLACK MORNING LIGHTの曲」としか答えられない(笑)
元々はWill OldhamことPALACE(PALACE MUSIC)との親交からバンドがスタートし、彼のレーベルからシングルなどを発表していたようですが、2004年にBRIGHTBLACK名義でTommy GuerreroでもおなじみのGALAXIAレーベルから本格デビュー。 さらにMATADORに拾われてメジャー・デビューを果たして今回でMATADORからは2枚目、キャリア的にはサード・アルバムとなります。
Nathanの「輝く水」という名前や、2人がFADERなどのカルチャー〜ファッション誌や音楽雑誌に登場する時に見せるネオ・ヒッピー〜ネイティヴ・アメリカンばりのテント暮らしぶりなどからもその生き様が伺えますが、本作のほとんど挑戦状とも言えるキャッチコピー「ANTI CORPORATE ANTI NUCLEAR ANTI COAL RECORDED WITH 4 SOLAR PANNELS FOR MATADOR RECORDS NYC(アンチ大企業、アンチ原子力、アンチ石炭エネルギー、ソーラーパネル4枚でニューヨークのマタドール用にレコーディング)」のスローガンにしたたかさと、うらぶれたホワイト・トラッシュ〜ヒッピーぶりに隠した2人の強さを再確認しました。 レコーディングの電気をソーラーパネルのみでまかなうというのはJack Johnsonなどもやっていますが、B.M.L.の場合はもっとパンクというか、反体制、あるいはスケートボード文化にも通ずるD.I.Y.の匂いがするんですよね。 あくまで「自分がやりたいからやる」「おめぇらがどうなっても知らん」てなクールさ。 ましてやこの呪術的なサウンドJack JohnsonやそれこそDevendra Banhartよりも良い意味で内にこもった、かたくなに自分の中の宇宙を旅するような感覚。 歌詞もバッファロー、虹、砂漠と直球で「スピリチュアル」な世界をいきつつ、現代社会に生きる人間の苦悩や体制に負けるな!というメッセージも織り込まれていて、不良なようで芯が通っているとても魅力的なバンド。 ま、とにもかくにもまずはそのサウンドなのですが。 コレを聴きながら延々とドライブしたり、スケートボードしたりと動きながら静かに止まる、旅をしながら自分を見つめるような「静」と「動」が表裏一体となって回り続ける酩酊感がたまらないです。 まさにトリップってわけですね(笑)。 


YouTubeにあるクリップは過剰にそのトリップ感を演出したものばかりでちょっとゲンナリしますが、このサウンド〜曲調は良くないですか? 西部劇のサントラ〜ホワイト・トラッシュ・ゴスペル〜砂漠系ポスト・ロックとか、そういうしょうもない説明しか浮かばないのですが(涙)、最高にチルしてて、それでいてTORTOISE以上の輝きやアブストラクト〜アヴァン・ヒップ・ホップのトラックに負けない磁場を併せ持っていると思います。 よろしければこの機会に是非ご注目を。
http://www.myspace.com/brightblackmorninglight
なかなかいい感じのインタビュー
http://www.identitytheory.com/audio/truths_brightblack.php